「開業準備、そろそろホームページも考えないとな」——そう思いながら、物件、資金、届出、仕入れ、内装……と目の前のことに追われて、気づけばオープンが目前。そんな話をよく聞きます。ホームページは「なくても開業はできてしまう」ものだからこそ、優先順位が後ろに下がっていくのは無理もないのではないでしょうか。ただ、ホームページは「開業してから」よりも「開業前」に動いておいたほうが、あとがずっとラクになります。しかも、多くの方が思っているより早い段階からです。この記事では、なぜ開業前がいいのか、いつから何を始めればいいのかを、開業日から逆算するかたちでまとめました。「もう間に合わないかも」という方向けの現実的な進め方も後半に書いています。
この記事の要約
- 理想は開業の3〜6ヶ月前に着手、1〜2ヶ月前に公開。制作期間だけでなく原稿・写真の準備時間も見込む必要があります
- 検索で見つけてもらえるまでに数ヶ月かかるため、開業後に作り始めるとオープン直後に「検索しても出てこないお店」になってしまいます
- 内容が固まっていなくても、最低限の5項目(事業内容・場所・オープン日・誰がやっているか・問い合わせ先)で小さく公開し、あとから育てていくのが現実的です
目次

結論:開業の3〜6ヶ月前に着手、1〜2ヶ月前に公開できると理想的
まず全体像から。理想的なスケジュールは、ざっくりこんなイメージです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 開業6ヶ月前 | 事業の方向性を言葉にする/屋号・ドメインを決めて取得する |
| 開業3〜4ヶ月前 | 制作に着手する/原稿と写真をそろえる |
| 開業1〜2ヶ月前 | 公開する/Googleビジネスプロフィールを登録する |
| 開業後 | 情報を更新しながら育てていく |
「6ヶ月前なんて、まだ何も決まってないよ」と思われたかもしれません。その感覚は正しいです。実際、その時期に全部が固まっている方のほうが珍しいと思います。
ただ、その「まだ決まっていないこと」を言葉にして整理していく作業こそが、ホームページ制作の第一歩でもあります。誰に、何を、いくらで提供するのか。この輪郭がぼんやりしたままだと、ホームページも作れません。逆に言えば、ホームページを作る過程で、事業の輪郭のほうがはっきりしてくる、ということもよくあります。
だから「決まってから作る」ではなく、「作りながら決まっていく」くらいの気持ちで大丈夫です。
そもそも、ホームページ制作にはどれくらい時間がかかるのか
逆算の前提として、制作にかかる期間の相場を押さえておきましょう。ここを知らないと、スケジュールの引きようがありません。
一般的な目安は、こんなところです。
| 作り方 | 期間の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 自分で作成ツールを使う | 数日〜1ヶ月程度 | まず最小限の情報を出したい/予算を抑えたい |
| フリーランスに依頼 | 1〜2ヶ月程度 | 小〜中規模で、柔軟にやり取りしたい |
| 制作会社に依頼 | 2〜3ヶ月程度 | 設計からしっかり相談したい |
※あくまで一般的な目安です。ページ数や機能によって前後します。
ここで見落とされがちなのが、この期間は「制作側の作業時間」であって、あなた自身の準備時間は含まれていないということです。
制作が止まる原因として一番多いのは、実は技術的な問題ではなく、原稿や写真がそろわないこと。何を書くか、どんな写真を載せるか——ここは事業者さんご自身にしか決められない部分が多く、丸投げでは進みません。
なので、「制作に2ヶ月かかるから、2ヶ月前に依頼すればいい」と考えると、たいてい間に合わなくなります。準備期間も含めて、3〜4ヶ月前に動き出す。これが現実的なラインです。
なぜ「開業してから」だと出遅れてしまうのか
理由は大きく2つあります。
検索で見つけてもらえるまでに、数ヶ月かかるから
ホームページは、公開した瞬間にGoogleの検索結果に出てくるわけではありません。Googleがサイトを見つけ(クロール)、登録し(インデックス)、内容を評価するまでに、どうしても時間がかかります。
一般的に、SEOの効果が出るまでには3ヶ月から6ヶ月、長い場合は1年ほどかかると言われています。とくに新しく取得したドメインは、検索エンジンからの評価がゼロからのスタートです。
公開後にSEOの効果が出ない場合の原因については、こちらの記事で詳しく解説しています。
つまり、開業してから作り始めると、いちばんお客さんに知ってほしいオープン直後の時期に、「検索しても出てこないお店」のままになってしまいます。これは、けっこうもったいない。
逆に、開業の1〜2ヶ月前に公開しておけば、オープンの頃には少なくとも「店名+鳥取」のような指名検索では見つけてもらえる状態にできます。この差は、思っている以上に大きいです。
開業直後は、ホームページどころではなくなるから
もうひとつは、シンプルに時間の問題です。
開業直後というのは、内装の最終確認、備品の調達、仕入れ先とのやり取り、届出、スタッフの段取り、そして実際の営業……とにかくやることが多い。その渦中で、落ち着いて原稿を書いたり、写真を選んだり、制作者とやり取りしたりするのは、正直かなり難しいと思います。
「オープンしてから、余裕が出たらやろう」——その余裕は、なかなか来ません。むしろ、比較的まだ時間のある準備期間のうちに片づけてしまうほうが、心理的にも段取り的にもラクです。
開業前にホームページがあると、こんないいことがある
1. 名刺・チラシ・SNSからの「受け皿」ができる
開業準備中は、あいさつ回りや地域の集まりで名刺を配る機会が多いはずです。そのとき、渡した相手はかなりの確率で検索します。
屋号で検索して、何も出てこない。それだけで「まだ実体がないのかな」という印象になってしまうことがあります。逆に、名刺にURLがあって、そこにきちんとしたページがある。それだけで受け取り方はずいぶん変わります。
チラシもSNSも同じで、「気になった人が最後にたどり着く場所」がないと、せっかくの興味が途中で切れてしまうんですよね。
2. 開業前から、見込みのお客さんに見つけてもらえる
「◯月オープン予定」という情報そのものが、立派なコンテンツになります。準備の進捗、内装の様子、メニューやサービスの構想。こうした発信は、オープン前から関心を持ってくれる人を集めてくれます。
とくに鳥取のような規模の地域では、「新しくこういうお店ができるらしい」という情報は、それだけで価値があります。オープン初日に、すでにあなたを知っている人が何人かいる。その状態を作れるかどうかは、開業前にホームページがあるかどうかで、けっこう変わります。
3. 原稿と写真を、落ち着いて準備できる
先にも書いたとおり、ここが一番の理由かもしれません。
急いで作ったホームページは、どうしても情報が薄くなりがちです。料金が書いていない、メニューが載っていない、どんな人がやっているのか分からない——そういうページは、見た人の不安を解消できません。
時間があるうちに、じっくり言葉を練ったページは、そのまま営業ツールとして長く働いてくれます。
開業前のホームページ準備について相談してみたい方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
一方で、開業前に作ることのデメリットもある
ここは正直にお伝えしておきます。開業前に作るのは、いいことばかりではありません。
情報が変わる可能性がある
メニュー、料金、営業時間、場合によっては物件そのものが、直前まで変わることがあります。作り込みすぎていると、そのたびに修正の手間が発生します。
費用が先に出ていく
売上がまだ立っていない時期に、制作費という支出が発生します。開業前は何かとお金がかかる時期なので、ここを「痛い」と感じるのは自然なことだと思います。
「まだ言えないこと」がある
物件の契約が確定していない、取扱商品が決まりきっていない。そういう段階では、書けることが限られます。
じゃあどうするか。答えはシンプルで、最初から完璧に作り込まないことです。後半で詳しく書きますが、「小さく公開して、決まったことから足していく」——この進め方なら、上の3つはほとんど問題になりません。
鳥取だからこそ、「早く出したもん勝ち」になりやすい
ここは、鳥取で仕事をしていて強く感じている点です。
都市部だと、たとえば「美容室 渋谷」のようなキーワードで上位に出るのは、正直かなり難しい。競合が何百とあって、それぞれが本格的にSEOに取り組んでいるからです。
でも、鳥取のローカルキーワードは、そもそも競合が少ない。同業のなかで、検索を意識してきちんと作られたホームページを持っている事業者さんは、決して多くありません。裏を返せば、先に整えた人が、その枠を取れる可能性が高いということです。
これは、開業前から動くことの価値をさらに大きくします。同じ業種の誰かが先にホームページを整えてしまえば、その枠は埋まってしまう。あとから追いつくには、それなりの時間がかかります。逆に、まだ誰も本気でやっていないうちに始めれば、少ない労力で先に立てる。
「まだ開業もしていないのに」ではなく、「開業していない今だからこそ」動く意味がある。鳥取ではとくに、そう感じています。
具体的な進め方については、ホームページ制作サービスのページでもご紹介しています。
開業準備の「段取り」の中に、ホームページを入れておく
鳥取県には、創業する方向けの支援制度がいくつか用意されています。ただ、制度の内容や対象になるかどうかは年度や状況によって変わりますし、判断も専門的なので、そこは商工会議所・商工会や県の窓口に相談されるのが確実です。
ここでお伝えしたいのは、制度の中身の話ではありません。ホームページの準備を「開業手続きが全部片付いてから」の作業だと思わないでほしい、ということです。
資金の相談、物件の検討、届出の準備——そうしたタスクと並行して、ホームページも少しずつ動かしておく。時間のある準備期間のうちに原稿と写真をそろえておけば、あとが本当にラクになりますし、開業と同時にスタートダッシュが切れます。
開業準備のTo Doリストに、「ホームページ」を早めに書き込んでおいてもらえたらと思います。
「まだ内容が固まっていない」なら、小さく公開して育てていく
とはいえ、開業の半年前にすべてを決めきるのは、現実的には無理です。それは当然のこと。
なので、こう考えてみてください。ホームページは「完成させてから出すもの」ではなく、「出してから育てるもの」です。
最初は、これだけで十分です。
- 何をする事業なのか
- どこにあるのか(開業予定地でOK)
- いつオープンするのか
- 誰がやっているのか(顔写真とひとこと)
- 問い合わせ先
この5つがあれば、公開する価値は十分にあります。Googleはその日からサイトを見つけて、評価を始めてくれます。名刺に載せるURLもできます。あとは、決まったことから順に足していけばいい。
完璧を目指して公開が遅れるほうが、よほどもったいない。あとから直せる作りにしておくことのほうが、初期の完成度よりずっと大事だと思っています。
業種別・最低限そろえておきたい情報
参考までに、業種ごとに「これだけは載せたい」という項目を挙げておきます。
- 飲食店 … メニューと価格、営業時間、アクセス(駐車場の有無も)、店内の雰囲気がわかる写真
- 美容室・サロン … 施術メニューと料金、スタッフ紹介、施術例の写真、予約方法
- 士業・コンサル … 対応できる業務範囲、料金の考え方、経歴、相談の流れ
- 工務店・施工業 … 施工実績の写真、対応エリア、対応できる工事の種類、問い合わせから完了までの流れ
共通して大事なのは、「料金」と「誰がやっているか」です。この2つが見えないページは、どんなにデザインがきれいでも、問い合わせにつながりにくい。ここは業種を問わず言えることだと思います。
よくある質問
いいえ、まったく手遅れではありません。ただ、この段階でフルスペックのサイトを作ろうとすると、確実に無理が出ます。まずは最低限の5項目で小さく公開して、開業後に少しずつ足していく形がおすすめです。「今日公開する」ことに、それだけの価値があります。
SNSは「知ってもらう」のが得意で、ホームページは「信頼してもらう」のが得意です。役割が違います。とくに料金や詳しいサービス内容は、流れていくSNSの投稿では伝えきれません。両方あるのが理想ですが、どちらか一方なら、受け皿としてのホームページを先に持っておくほうが安心だと思います。
予算と、かけられる時間しだいです。作成ツールを使えば費用は抑えられますが、実際にやってみると、原稿づくりを含めて想像以上に時間がかかります。開業準備で忙しい時期にその時間を捻出できるかどうか——そこが判断の分かれ目になると思います。
屋号が決まった時点で、すぐ取っておくのがおすすめです。ドメインは早い者勝ちですし、費用も年間で数千円程度。サイトの公開はあとでも、ドメインだけ先に押さえておく、というのは十分アリです。
まとめ
- ホームページは、開業の3〜6ヶ月前に着手、1〜2ヶ月前に公開できると理想的
- 制作期間は1〜3ヶ月が目安。ただし原稿と写真の準備時間は別途かかる
- 検索で見つけてもらえるまでに数ヶ月かかるため、開業後に作り始めると出遅れる
- 開業直後は多忙で、落ち着いて準備する余裕がなくなる
- 鳥取はローカルキーワードの競合が少なく、先に整えた人が有利になりやすい
- 内容が固まっていなくても、小さく公開して育てていくのが現実的
開業準備は、やることが山積みです。そのなかでホームページを後回しにしたくなる気持ちは、本当によく分かります。
でも、後回しにした分だけ、検索から人が来てくれるまでの時間も後ろにずれていきます。「いつか作ろう」ではなく、準備のスケジュールに組み込んでしまう。それだけで、オープン後の景色はずいぶん変わるはずです。
鳥取での開業に向けて、ホームページをどう進めるか迷っていることがあれば、気軽にご相談ください。
対応エリア:鳥取県内 / 全国(オンライン対応)