鳥取市向けの成功事例や記事をそのまま参考にしている米子市の事業者も少なくありません。ただ、米子は江戸時代から商人の街として栄えてきた「商都」であり、商圏も鳥取市より隣県の松江市・出雲市側まで広がっているため、鳥取市を前提にした事例をそのまま当てはめても効果が出にくいケースがあります。米子ならではの商圏構造を踏まえたホームページ運用が有効です。そこで、米子で事業を営み、Web集客の見直しを考えている方に向けて、地域特性を踏まえた考え方をまとめました。
この記事の要約
- 米子は「商都」としての歴史を持ち、鳥取市とは異なる商圏戦略が求められる
- 米子の商圏は鳥取市より松江・出雲側と結びつきが強い「中海経済圏」への意識が有効
- 「米子」単体でなく周辺エリア名を含めたキーワード設計が集客の鍵
- 商都としての歴史や交通の要衝という強みを打ち出すことが信頼獲得への近道
目次
米子は「商都」として発展してきた独自の商圏
鳥取県の事業者向けの情報発信は、県庁所在地である鳥取市を前提に語られることが多く、米子市もその延長で捉えられがちです。しかし米子市は、行政の中心である鳥取市とは異なる成り立ちを持つ都市です。
米子市の公式サイトでも、道路・鉄道・空港などの利便性の高さを背景に、古くから地域の交通結節点・宿泊拠点として、人の行き来が盛んな「山陰の商都」として栄えてきたと紹介しています*1。移住者向けメディアの取材でも、江戸時代には米子城に城主が不在の時期が長く続いた一方で、商人が主体となって町をつくり上げてきた経緯が語られており*2、その気風は現在の中心市街地の町並みにも残っています。令和8年7月31日時点の人口は142,314人で*3、179,215人の鳥取市と比べると少ないものの*4、県内2番目の規模を持つ都市として独自の商圏を形成してきました。
つまり米子は、行政機能に依存する集客ではなく、商業そのものの厚みで人を集めてきた地域だといえます。ホームページで発信する際も、「行政の中心地だから」ではなく「商都として選ばれてきた理由」を軸に据えた方が、地域の実情に合った打ち出し方になると考えられます。
*1 引用元:米子市:市の概要
*2 引用元:ココロココ:山陰随一の商業都市「米子」が移住先として注目される理由
*3 引用元:米子市:人口(数字で知る米子市)
*4 引用元:OpenGov.jp:鳥取市の人口(総務省「住民基本台帳に基づく人口」)
鳥取市よりも隣県とつながりが強い「中海経済圏」という広がり

商都としての性格に加えて、米子のWeb集客を考えるうえで欠かせないのが商圏の広がり方です。米子市は鳥取県内で完結する商圏ではなく、県境を越えて島根県側と強く結びついています。
米子市・境港市(鳥取県)と松江市・出雲市・安来市(島根県)の5市は、「中海・宍道湖・大山圏域市長会」という広域連携組織を結成しており、県境を越えて一体的な地域づくりに取り組んでいます*5。この5市はまとめて「中海・宍道湖・大山圏域」と呼ばれ、観光・産業・人材育成などの分野で共同事業を展開している圏域です*5。
鳥取市を中心とした因幡エリアの記事でよく使われる「鳥取」というキーワードだけでは、この広域の商圏をカバーしきれません。米子で店舗や事業を営む場合、実際の来店客や取引先が松江・安来・境港方面から訪れているケースも十分に考えられ、検索の入口も鳥取県内に限定されない可能性があります。この点は、これまでの鳥取市中心の記事群とは異なる、米子ならではの前提として押さえておく必要があります。
さらにこの圏域では、市長会や5市の商工会議所・観光協会などが母体となって設立された「山陰まんなか観光局」が、観光庁の日本版DMO(観光地域づくり法人)として登録され、観光分野でも一体的な取り組みを進めています*6。行政の連携にとどまらず、観光・宿泊・飲食といった業種では、圏域全体を1つの経済圏として捉えた動きがすでに制度としても後押しされている状況です。米子の事業者にとっては、「鳥取県内」という単位ではなく、「中海・宍道湖・大山圏域」という単位で自分の商圏を捉え直す方が、実態に近いと考えられます。
ここまでで、米子が商都としての歴史と、県境を越えた広域商圏という2つの個性を持つ地域だということが見えてきました。では、この特徴を実際のホームページづくりにどう落とし込めばよいのでしょうか。ここからは、具体的に意識したいポイントを3つに分けて整理します。
*5 引用元:中海・宍道湖・大山圏域市長会:市長会の概要
*6 引用元:中海・宍道湖・大山圏域市長会:山陰まんなか観光局(日本版DMO登録の記載)
米子の事業者がホームページ集客で意識したいポイント
「米子」だけでなく周辺エリア名も想定したキーワード設計
米子の商圏が松江・出雲・安来・境港まで広がっていることを踏まえると、ホームページの見出しや本文で使うキーワードも「米子」単体に絞り込みすぎない方が良いと考えられます。業種によっては「米子 松江 ○○」のように、隣接エリアを組み合わせた検索が行われている可能性があるためです。
具体的には、士業やクリニックなど広域から人が訪れやすい業種であれば、サービス紹介ページの中に「松江方面からのアクセス」「中海沿岸エリア対応」といった一文を加えるだけでも、圏域を意識した情報として受け取られやすくなります。一方、地元密着型の飲食店や小売店であれば、無理に対応エリアを広げず、「米子市内」であることをむしろ明確に打ち出した方が読み手に刺さる場合もあります。業種によって商圏の広さが異なる点も、米子ならではの判断が必要な部分です。
もちろん、すべてのページで欲張って複数エリア名を詰め込む必要はありません。トップページやサービス紹介ページは「米子」を軸にしつつ、コラムやお知らせなど周辺エリアの読者にも読まれたい記事では、中海・宍道湖・大山圏域を意識した言葉選びを取り入れることで、想定より広い読者に届く可能性が高まります。
商都としての歴史・信頼感を打ち出す
米子は商人の街として発展してきた歴史を持つ分、「地元で長く商売を続けてきた」という文脈が伝わりやすい土壌があります。創業年数や地域での取り組み、地元での関わり方をホームページ上できちんと言語化することは、他の地域以上に効果を発揮しやすいと考えられます。
抽象的な「地域密着」という言葉だけで終わらせず、創業からの年数、店舗や事業所を構えてきた場所の変遷、地元の商店会・組合との関わりなど、具体的な事実を年表やプロフィールページの形で示すことで、読み手にとって説得力のある内容になります。とくに米子中心市街地には古くからの商都の町並みが今も残っており、そうした土地の歴史と自社の歩みを重ねて語れる事業者にとっては、他地域よりも強い武器になり得る要素です。
観光・交通の強みを生かした情報発信
米子は大山・中海・日本海に囲まれた自然環境に加えて、米子鬼太郎空港や山陰道など交通の要衝としての側面も持っています。皆生温泉のような観光資源も近く、観光客や出張者との接点を持ちやすい地域です。
飲食店や宿泊業、小売業など観光客との接点が生まれやすい業種であれば、地元客向けの情報と合わせて、空港や幹線道路からのアクセスの良さ、周辺観光地との位置関係をホームページに盛り込むことで、地元客・広域客の両方に向けた発信ができます。空港からの所要時間や最寄りICからのルートなど、地元の人には当たり前でも県外・海外からの来訪者には価値のある情報を丁寧に書き添えることも、広域からの集客につながるポイントです。
米子の商圏構造を踏まえたホームページの構成について相談したい方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
まとめ|米子らしい商圏理解が、ホームページ集客の第一歩
米子は「商都」としての歴史と、県境を越えた中海・宍道湖・大山圏域という広域商圏を持つ、鳥取市とは異なる個性を持った地域です。鳥取市向けの一般的な事例をそのまま当てはめるのではなく、米子ならではの商圏構造を踏まえてホームページの構成やキーワードを設計することが、集客の第一歩になると考えられます。
こうした地域特性を踏まえたホームページの構成やキーワード設計は、自分だけで一から考えようとすると判断に迷う部分も多くあります。Own.では、鳥取県内の各エリアの特性を踏まえたホームページ制作に取り組んでおり、米子のような広域商圏を持つ地域の事業者に向けた相談も承っています。
対応エリア:鳥取県内 / 全国(オンライン対応)